『シコふんじゃった』



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数々の不祥事がありながら、依然として根強い人気を誇り、
国技と呼ばれる相撲だが、映画やテレビドラマの題材として取り上げられることは、
他のメジャーなスポーツと比較しても、少ないと言える。




1992年に公開された周防正行監督の、『シコふんじゃった』 は、
大学の弱小相撲部が成長していく姿をコミカルに描き、
その年の映画賞を、”総なめ” にしたヒット作である。




日本映画がどん底に落ち込んでいた時代に、
それまで成功していなかったコメディー作品の道を、
新たに切り開いたエポックメイキング的作品としても、
その意義は燦然と輝いている。




卒業が危ぶまれている主人公は、単位欲しさに嫌々、
教授が顧問を務める弱小相撲部の試合に出場する。




しかし、そこで惨敗したチームがOBに罵倒される中、
主人公はチームに残り、猛特訓を始めていく。




弱いスポーツ・チームが、敗戦をきっかけに、
成長していくサクセスストーリーは、数多作られているが、
この作品は単なるスポーツ作品ではなく、
青春映画として描いたところに1つの特徴がある。




また、日本において、青春映画はアイドル映画という側面が残っていた時代に、
きちんとしたエンターテインメント作品を作り上げたことも、画期的であった。




それぞれのキャラクターも印象深く、特に竹中直人演じる、
試合前になると必ず下痢を催すベテラン大学生は、白眉の出来だ。




当時は若貴ブームで相撲が人気絶頂だった時代とはいえ、
暑苦しいものと思われがちだった相撲の、スポーツとしての魅力を、
際立たせることにも成功している。




その完成度の高さは今観ても色あせることはない。
ナイーブな気持ちになりがちなこの季節に観るのに、ピッタリの一本だ。








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